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コードギアスLostcolors、美人のライ受け絶愛プログ。まったり自己満足で書いております。
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★2011/10/31 (Mon)
ハロウィン話。
記憶喪失のC.C.×ライです。
お話は、続きからになります。

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記憶の中の君と今の君



 窓からは満月が覗く、ハロウィンパーティー。
 いつものごとくミレイ発案で行なわれるイベント内にて、各々仮装した生徒もしくは教師のいる中で、招かれざるヒトがいることなど気づくものは一部しかなかった。

 黒いマントに正装、顔を半分隠したオペラ座の怪人に扮したライも、その賑やかな人の声の中にいたのだが、よたよたと動き回る人サイズに入るチーズ君人形を目に止め、眉を顰めた。
 視界が悪いからか動きづらいからか、恐らくどちらにも当てはまるのだろうが、怪しげな動きは人を避けるほどに目立ち、遠巻きに放置する周囲を他所にライは、歩み寄るとそっと白い手袋をした手を着ぐるみへと差し出した。


「大丈夫か?」


 無表情ながら瞳は気遣うような優しさを感じ取ったのか、着ぐるみはその手をとり立ち上がる。
 中にいる人間に話しかけたいところだが、人目もあることを考えて、ライはその手を引くようにしてパーティー会場の外へと連れ出した。
 丸っこく大きいそれをオペラ座の怪人が連れ出すのは、なんとも滑稽だったが、声をかけるものはなく、それに目を止めたのはルルーシュとカレンだけだった。


 人気もない中庭へと移った所、ライが繋いだ手を離してチーズ君人形へと振り返る。


「とりあえず、その格好では声がこもって話しにくいだろ? 頭だけでも脱いだほうがいい」 


 こくりと大きく頷いたチーズ君人形が、もそもそと動くが、どうにも一人では脱げない格好のようで、手間取ってる様子にライは小さく仕方ないと言いたげな吐息を漏らすと、後ろについたチャックを外すと、ひょっこりとウス緑の髪をした少女が汗だくで顔を出す。
 ライは無言で持っていたハンカチを差し出すと、C.C.がありがとうと礼を言って汗を拭う。


「本当に、来たんだな」


 どこか感心とも呆れがある含みでライが呟くと、顔をあげたC.C.が邪気のない笑顔を向けてきた。


「はい。アーニャにも協力してもらってこっそり連れて来てもらったんです」


 こっそりというわりには目立ていたようなと、少し前までの出来事を回想したライは、ルルーシュにも顔がばれないならとの条件の下で、参加することにライも賛同したが、それでも約束を忘れていることに内心苛立ちを覚えた。


「参加することに合意はしたが、来るのなら事前に話してくれても良かったんじゃないか?以前に君と約束をしたはずだぞ」

「ごめんなさい。私もそう考えていたんですけど、アーニャが今日というイベントは驚かせるのが目的だから、ライには内緒にしたほうがいいって言われて」


 しょんぼりと顔を伏せるC.C.に、元から怒る気力もなくライは先ほどの光景を思い出したように小さく笑った。
 顔をあげたC.C.には、仮面で顔半分は見えないが、月を背後に微苦笑を浮かべるライの幻想的な雰囲気に飲まれたように、見惚れてしまっていた。

 実際はいないが、本当にそこにオペラ座の怪人と言われる妖艶な人物が、自分の目の前に現れたようなそんな幻影が見えてしまうほどだった。



続く

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